- 2014-2-14
- エトセトラ, ビジネス用語・時事用語, 日本語力向上ドリル
「事業再生ADR」の説明として正しいのは次のうちどちら?
A:民事再生法にしたがって、
裁判所などの監督のもとに事業再建をはかること
B:法的な手続きではなく、中立な第三者機関である専門機関が
話し合いをベースに事業再建をはかること
答え:B
そもそも「事業再生」とは、
企業が倒産状態になってしまったときに債務の整理をしたり、
リストラを行うなどして経営の健全化をはかることです。
つまり、会社を清算させるわけではなく、
事業を続けることが目的なんですね。
事業再生には大きく分けて
「法的再生」と「私的再生」の2つがあります。
「法的再生」は民事再生法などの法律にしたがって
裁判所が手続きを行うものです。
手続きに透明性が出るメリットはありますが、
たとえば事業継続に不可欠な取引先への支払いもストップするなど、
その後の経営によくない影響を与える可能性もあります。
一方、「私的再生」は文字通り私的に手続きを進め、再建をはかりること。
裁判所などが介在しないため、
「重要な取引先には支払いを続け、そうでない債権を優先的に整理する」
など柔軟な対応を取ることができます。
ただし、合意できない債権者が出たり、
手続きが不透明で不公平になりがちな面もあります。
「事業再生ADR」のADRは「裁判外紛争解決手続き」の略で、
私的再生に属するものです。
ただし、法的再生の性格も合わせ持つと言えるかもしれません。
その理由は、下記のような点が挙げられます。
・法務大臣の認証を受けた第三者機関、事業再生ADR事業者が手続きを主導する
・民事再生と同様に債権者の債権放棄に税制上の優遇措置が認められる
これは、事業再生ADRそのものが
私的再生が持つデメリットを解決しようと設けられた制度だからなのです。
過去に日本航空が行った事業再建の手法として有名ですが、
ジーンズで有名な「エドウィン」が
事業再生ADRを申請したことでも話題になりました。
東京商工リサーチによると、
ファストファッションの台頭や東日本大震災の悪影響などで
業績が伸び悩んだことに加え、不正経理問題などが発覚したことで、
事業再生を申請するにいたったようです。
登録無料 2分でわかる!日本語向上ドリルメールマガジン