- 2013-8-23
- エトセトラ, ビジネス用語・時事用語, 日本語力向上ドリル
- 社会問題
「ホワイトカラー・エグゼンプション」の正しい意味は次のうち、どちらでしょうか?
A:営業職など外出が多い職種に対する労働基準法
B:企画職などの事務職に対して労働時間規制などを除外する制度
答え:B
エグゼンプションは英語でexemptionと書きます。
直訳すると、控除、免除という意味で、設問の答えはBになります。
ホワイトカラー労働者の場合、働いた時間が長いと成果が上がるとは限りません。
そのため、諸外国ではホワイトカラーを労働時間の規制などから外し、
残業代を支払わない代わりに役職手当を与えるような制度になっているところもあります。
日本では2005年に経団連がこの制度を提言し、
2006年末から、第1次安倍内閣でも検討されました。
しかしマスコミで「残業代ゼロ法案」などと報道されたこと、
労働界などの反発などにより国会提出が取り下げられた経緯があります。
似た制度に「裁量労働制」がありますが、
これは労働基準法における労働時間を守ったとみなす「みなし労働時間制」です。
厳密には、ホワイトカラー・エグゼンプションとは違う制度ですし、
対象業務の範囲が狭いことなどから、経団連などが問題点を指摘しています。
現在、再びホワイトカラー・エグゼンプションが話題になっているのは、
政府が労働時間の規定に当てはまらない職種を新たにつくる方針を示しているからです。
たしかに「労働時間=成果」ではない職種はありますから、
経営サイドが仕事の実態に合わせた制度を求めるのは理解ができます。
一方で、労働者側の「経営者の都合で無制限に働かされる環境ができてしまう」という警戒感も当然です。
試行錯誤しながらでも、日本に合ったよい制度ができるよいですね。
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