- 2016-2-29
- 文章に関するあれこれ
- 人生
最近、「○○の生き様は~」などと使われているのをよく見かけます。
「あの人の生き様は素敵だね」という具合です。
実は、これは正しい日本語とは言えません。
生き様は本来、自分の生き方を卑下して言うときに使う言葉です。
辞書には、「自分の過ごしてきたぶざまな生き方」とあります。
それを、最近では他人の生き方を指して使うようになっているのですね。
むしろ、こちらのほうが一般化していると言えるかもしれません。
そもそも「様」は、他人に対する敬称ですが、「ざま」と読むときは「様子やありさまをあざけって言う言葉」です。
生き様の「ざま」は、「ざまはない」「ざまを見ろ」と同じ意味の「ざま」なのです。
生き様を他人の生き方について使う場合、「素敵」「見習いたい」など良い意味であることが多いので、プラスのイメージを持っている人が多いかとは思います。
しかし、日本語の正しい使い方にうるさい人に「あなたの生き様」などと使うと、思わぬお叱りを受けるかもしれません。
気をつけてくださいね。
内舘牧子さんの御著書『カネを積まれても使いたくない日本語』にも、「生き様」という言葉についての記載がありましたよ。
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