「A社の高下部長を知っていますか?」という問いかけに対して、より適切な答えは次のうちどちらでしょうか?

「A社の高下部長を知っていますか?」という問いかけに対して、より適切な答えは次のうちどちらでしょうか?

A:はい。存じております

B:はい。存じ上げております


回答:B

 

細かい違いですが、文法上は明確に分けられます。

そもそも、謙譲語には「謙譲語1」と「謙譲語2」があることをご存じでしょうか?

謙譲語は自分がへりくだることで相手に敬意を表す言葉です。
しかし、自分がへりくだるといっても、厳密には言葉が向かう方向が違います。

たとえば「言う」という言葉で考えてみましょう。
言うの謙譲語は「申す」です。

 

申すを「部長に申し上げました」と使う場合、言葉が部長に向かっています。
対して、「私が申しました」と使う場合、申すを自分に対して使っています。

 

これが、「謙譲語1」と「謙譲語2」の違いです。
つまり、「謙譲語1」は相手に向かう言葉、「謙譲語2」は自分に対する言葉というわけです。

 

設問に戻りましょう。

設問の場合、「知っている(存じる)」がA社の高下部長に向かっています。
そのため、答えはBの「存じ上げる」が適切です。

対してAの「存じております」は、一般知識等について使うとよいでしょう。
たとえば読んだ本、映画などの話題を雑談するシーンでは「存じております」が適切です。

ビジネスシーンで文法のことを気にしすぎると、会話がぎこちなくなってしまいますから、
考えすぎる必要はありません。
しかし、知識として知っておいて損はないのが文法でもあります。

 

 

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