比較優位って何?

貿易・比較優位

自由貿易で言われる「比較優位」の説明として正しいのは次のうちどちら?

A:経済学者ポール・クルーグマンが提唱した理論で、自由貿易においては常に一国しか貿易を黒字化できないとする理論

B:経済学者デビッド・リカードが提唱した理論で、自国の得意な生産に特化して自由貿易をすれば、自国も相手国も互いに得をするという理論

 


 

解 説

そもそも「自由貿易」とは、国家の介入や干渉を受けずに、自由に行われる貿易のことです。

もちろん取引ルールが完全ない状態は難しいので、WTO(世界貿易機関)が貿易における取引ルールを定めています。
しかし、それは自由貿易に近い状態になるように定められたルールです。

さて、この自由貿易下において、国は「比較優位」を意識しなければいけません。

つまり、得意なジャンルの特化を大切にするということです。
これにより、自国はもちろん、貿易の相手国にもメリットがあります。

 

今ひとつピンとこないかもしれませんね。

たとえば、あなたの会社にはさまざまな仕事があると思います。
営業、企画、資料作りや雑務、掃除なども仕事のうちですよね。

では、経営者が資料作りをするのは、効率がよいと言えるでしょうか。

その経営者がパソコンのタイピングが上手でデザインセンスがあったとしても、資金作り、組織作りなど経営者しかできない業務に特化し、資料作りは社員に任せたほうがよいことは、容易にイメージできますよね。

このような関係にあるとき、資料作り担当者は、資料作りにおいて「比較優位」を持つ、というわけです。

一方、タイピングが上手でデザインセンスのある経営者は、資料作り担当者に対して「絶対優位」を持つと言われます。

 

ここでもう一度、たとえ資料作りの担当者が、経営者よりタイピングが下手で、デザインセンスに劣っていたとしても、経営者は経営に集中したほうがいいことを確認しましょう。

つまり、絶対優位よりも比較優位を優先することで、多くの人が職業を持つことができる、つまり分業できるわけです。

これと同じことが、貿易でも言えます。

貿易国間で、それぞれ比較優位を持つことに特化することで、「国際分業」が実現できるわけです。


 

答え:B

 

ちょっと補足

比較優位の説明でよく用いられるのは、アインシュタインです。

仮にアインシュタインの事務能力が高くても、事務は秘書に任せて研究に集中したほうがいい、という話です。

この考え方は、私たちの仕事にも応用できますよね。
自分を主体にして「得意!」と思うことより、周りと比較して「得意」なことをしたほうが、チームとしてはうまく仕事が回るはずです。

ただし、貿易の世界に限っていうと、必ずしも比較優位ばかりを考えるとうまくいかないケースもあります。

たとえば、「工業製品が得意な国」と「農産物が得意な国」の貿易では、短期的に見るとうまくいきます。

ただし、農産物が得意な国が農産物ばかりに特化してしまうと、その国での工業技術の普及ができません。
いずれ、国家間の格差となってひずみが生まれてしまうかもしれません。

比較優位に特化することで、中長期的に見ると何らかの悪影響が生じてしまう可能性がある、ということです。

そのため、いつもいつも「自由貿易」を目指すのではなく、国家が関税など規制を加えることで、「保護貿易」の状態にすることも場合によって必要なのです。

何事もバランス・・・ですね。

 

 

 

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